カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

IBM 控えめな長期見込み(アニュアルレポートから)

米国株投資家のポートフォリオに組まれることの多いIBMですが、不調な状態を顧みてかアニュアルレポートの長期予測も控えめな感じがします。(既にニュース等になっていたらごめんなさい。)

 

Over the long term, in consideration of the opportunities it will continue to develop, the company expects to have the ability to generate low single-digit revenue growth, and with a higher-value business mix, high single-digit operating (non-GAAP) earnings per share growth, with free cash flow realization of GAAP net income in the 90 to 100 percent range.

 

ビジネスチャンスが今後も拡大し続けていくと考え、長期的に我々は高い価値を持つビジネスの融合、1ケタ台後半の1株当り営業利益の成長率、そして90-100%の現金実現率を伴って、1ケタ台前半の売上成長率を生み出すと予測している。

(引用; IBM 2017 Annual Report, p.66) 

※現金実現率=フリーキャッシュフロー/純利益

 

訳がちょっと不自然ですが許してください(笑)

 

安定的な配当を望む方にとっては、1ケタ成長率でも満足できるのかもしれません。ただ、他のIT企業と比べるとちょっと寂しいような感じもします。まあこれをどう捉えるかは各々だと思います。

 

一方で(まあ言及せずとも分かることかもしれませんが)、配当再投資戦略の方を安心させる文言もありました。

 

 

The company expects to continue to allocate capital efficiently and effectively to investments, and to return value to shareholders through a combination of dividends and share repurchases.

   

我々は投資への効率的かつ効果的な資産配分を続け、株主還元を配当と自社株買いを通して続けていくつもりだ。

(引用; IBM 2017 Annual Report, p.66)

 

この文言はLooking forward(将来展望)の欄内に、経営戦略方針として1番最初に書かれていたものです。英語では、まどろっこしい日本語とは異なり、出し惜しみせず言いたいことを最初の方に持ってきますから、この文言はIBMが今後、資本効率性を高めながら株主還元を強化していくんだというとして強い気持ちの表れだと思います。高い成長を将来の目標とする企業がIT分野には多い中、資本効率性や株主還元を強く打ち出すIBMはIT企業の中では珍しいタイプかもしれません。

 

※投資は自己責任でお願いします。

※意訳は正確を期すようにしておりますが、念のためご自身でも原文を確認することを強くお勧めします。

にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

押して頂けると嬉しいです!