カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

TOBがあるかもしれない米国銘柄; ハーバライフ (HLF)

ハーバライフ(ティッカー;HLF)は栄養補助食品などを扱う企業です。米国株に長年関わってきたことがある方はご存知かもしれません。この銘柄がお騒がせで問題児であったことを。まあこの話は置いておいて、とにかくこの銘柄は今年中にTOB株式交換が行われる可能性が考えられています。その理由はハーバライフ自身が2019年中に身売りし未上場化する方針であることを公表しているからです。

 

https://ir.herbalife.com/static-files/5a5eca88-35cf-4474-89b9-6092cfbc07af

これはおととしのTOB時の公表資料ですが、今年中に未上場化する意向であることを公表しています。ロイターによれば、投資家に身売りして未上場化する方針であるとしています。

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そしてその準備として、ハーバライフは、おととしと昨年にTOBで株を買い取っています。ですから未上場に向けてそれなりの覚悟があるのかもしれません。もし仮にハーバライフの計画通りに物事が進んだ場合、他のファンドや投資家等がTOB、現金または株式交換といったプレミアムがついた見返りを提案し、投資家は利益を得られる可能性があります。ただそうはいっても現時点ではあくまで”方針”の段階であるため、未上場に至らない可能性も当然あるわけで、TOB等が起こる可能性に賭けるのは現時点では投機といえるでしょう。未上場化にともなうTOBなどに至らないリスク要因は様々で、例えば…

 

・方針転換

 単純に経営陣の気が変わる可能性もあります。

 

・ファンド等の買い手が現れない。

 ハーバライフが魅力的に感じる買い手がいなければなりません。

 

・リセッションや金融危機

ハーバライフは投資家(恐らくファンドも含む)を買い手として想定しています。ただこのような買い手はハーバライフを買うために、銀行などからの借り入れが必要となる可能性があります。もし仮に現在予測されているリセッションが起こったり、予想外の金融危機が起こった場合、銀行は投資家やファンドにお金を貸すことが難しくなり、借り入れに依存する買い手はハーバライフを買い取ることができないかもしれません。

 

と、まあ3つほど未上場に至らないリスクを上げましたが、考えればもっとあると思います。そんなわけで記事を書いておきながら、カナリーは今のところこの株を買おうと思っていません(笑)。すみません(笑)。でもギャンブルに飢えている人にとっては、変な噂(ウォールストリートジャーナルやブルームバーグがレポートするものも含む)に賭けるよりはまだマシだと思います。新聞のコーポレートアクションに関する記事は、スポーツ選手の移籍報道のような飛ばし記事であることも少なくありません。一方で、今回のように身売りをして未上場化する方針を会社自身が示しているということは、少なからず経営陣が頑張って買い手を探していることを示唆していますから、報道を見聞きして株を買うよりはマシだと思います。

 

ただ、この銘柄が気がかりなのは、ハーバライフという企業が少々問題児であることです。この企業は4,5年ほど前にマルチ商法のようなビジネスを展開しているとして問題になり、FTCに罰金を支払っています。この問題を理由に投資家のビル・アックマンが空売りを仕掛け、それに応戦するような形でアイカーンがこの銘柄を買い持ちして対決したのは有名な話です。そんなわけで少々グレーな企業なので、この辺りもリスク要因の一つとなります。

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