カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

アメリカ

スプリント合併が難しいと思う理由

昨日、FCC(連邦通信委員会)の委員長が、スプリントとT-MobileUSの合併を承認する意向であるとのニュースが流れました。合併の成立は難しいと考えていたカナリーにとっては驚きでした。しかし、依然として司法省の審査が残っており、司法省の審査を乗り越える…

セルジーン投資家が抱える不確実要素(CVRの処理)

現在、セルジーンの投資家はブリストルマイヤーズとの買収が無事成立することをウキウキしながら待っているのではないでしょうか。というのも、セルジーン投資家は買収成立後には現金50ドルとブリストルマイヤーズ株1株、つまり98ドル相当(日々変動)の対価に…

1ドル60円になったらどうなるか。

先日読んだこの記事。 www.bloomberg.co.jp カナリーにとって非常に興味深かったです。この記事内では、ゴールドマンサックスのストラテジストのジメルカさんが、将来仮に不況となりアメリカの中央銀行が金利を引き下げた場合、円が強くなって最終的に1ドル6…

GNW 利益率40%のスペシャルシチュエーション

GenworthはS&P400に構成されている保険会社です。この企業は現在、中国のOceanwideという企業に買収されることで合意しています。しかし、この買収合意は2016年10月になされたものです。つまり、2年経っても買収が成立していない状態で、その結果、GNWの株価…

PFF嫌いのカナリーが見つけた、まずまずな優先株

以前からカナリーは、優先株はその性質上、中途半端な立ち位置であるがため、基本的には投資先として魅力的ではなく、その集合体であるPFFに投資するのは馬鹿げているという意見を持っており、このスタンスは特に変わりません。特に長期投資家ほど普通株に投…

アメリカの投資銀行株、レバレッジは確かに低い

リーマンショック以降、デンジャラス株として恐れられているのが金融株です。金融危機における金融株の暴落は、世界一の落差を誇る滝、エンジェルホールを凌ぐほど凄まじいものがあります。 さて、そんなアメリカの金融株ですが、カナリーは、アメリカの金融…

バフェットのレッドハット株購入の理由を成長性と断言する人は完全にどうかしている

バフェットは常々、「素晴らしい会社に投資する」と発言し、実際に利益率などが高い企業に投資し利益を得ています。しかし、今回のレッドハット株への投資は「素晴らしい企業への投資」とは全く別の戦略である可能性があります。それにもかかわらず、「バフ…

減配の要因 利払いと買収

米国の高配当株に投資し、配当を再投資する戦略を採用している米国株投資家は多いと思います。今回はそういった方たちにとってネガティブな話、「減配」について書こうかなと思います。 今回は高配当株として扱われていた企業が、売り上げや利益をそれなりに…

テスラの珍しい買収手口

先日テスラはマクスウェル・テクノロジーという企業の買収を発表しました。大体2.3億ドル規模の買収案件となるそうです。 さて、ここから少しマニアックな話になりますが、テスラはマクスウェル・テクノロジーを珍しい手法で買収しようとしています。何が珍…

米国株投資家に喧嘩を売る記事

カナリーが若干イラっときた記事があったので紹介したいと思います。こちら。 www.mag2.com 記事の執筆者は大型米国株に投資し、利益を得る時代は終わったと言っています。まあ未来のことは分かりませんが、ここ数週間で米国株が盛り返してきていることを考…

ヘッジファンドやアクティビティストは友達 in US

ヘッジファンドやアクティビティストと聞くと、常に利益に向かって走り、利益のためならどんなことでも躊躇なく実行する、このようなイメージを持っている方も多いと思います。特に日本ですと、個人投資家とは敵対する立場に立っており、個人投資家を負かし…

GE GE株保有者は面倒なことになるかもしれない (鉄道部門がスピンオフ)

ゼネラルエレクトリックは2019年の2月25日までに鉄道部門をスピンオフする予定であると発表しました。GEは前々から鉄道とヘルスケア部門をスピンオフさせたいと言ってきましたが、先に鉄道部門のスピンオフが決定しました。(SECにファイルされた公式文はこち…

オルタナティブETFはどうなのか

オルタナティブは英語表記で”Alternative”で「代替の」とか「代わりの」といった意味があります。金融では伝統的な株式や債券を購入する運用ではなく、様々な戦略や金融商品を用いて投資することを指します。 さて、日系証券でオルタナティブETFの取り扱いは…

敵対的TOBの利益の可能性とリスク

昨日、伊藤忠がスポーツ用品メーカーのデサント株をTOBすることを発表しました。実質的には敵対的TOBのようですね。このニュースに触発されたので、今回は敵対的TOBについて書こうかと思います。なんか最近こういう投機的な記事を連発しているので、堅実的な…

TOBがあるかもしれない米国銘柄; ハーバライフ (HLF)

ハーバライフ(ティッカー;HLF)は栄養補助食品などを扱う企業です。米国株に長年関わってきたことがある方はご存知かもしれません。この銘柄がお騒がせで問題児であったことを。まあこの話は置いておいて、とにかくこの銘柄は今年中にTOBや株式交換が行われる…

米国株のTOB; ダッチテンダー方式とは

今回は投資家や投機家にチャンスや利益をもたらしてくれるTOBについてです。アメリカだとテンダーオファー(Tender Offer)という言い方をします。TOBとは皆さんご存知の通り、企業が(自社でも他社でも)ある一定の価格で株を投資家から買い集めるというもので…

配当利回り20%超。アメリカのロイヤルティ・トラストとは

今回は配当利回りが20%を超えるような企業たちについてお話ししたいと思います。その企業たちとはロイヤルティ・トラストです。 目次 ロイヤルティ・トラストとは ロイヤルティ・トラストを詳しく見る ロイヤルティ・トラストの損益計算書 ロイヤルティ・ト…

SCANAがスペシャルな状況だった話(あけおめ)

あけましておめでとうございます!弱小ブログですが今年もぼちぼち書いていくつもりですので、どうぞよろしくお願い致します。新年1発目の記事ですが、いきなりマニアックな記事を書きたいと思います。もう既に終わってしまった話ですが。 先月、ドミニオン…

DELLの再上場。

5年前に未公開株となったデルですが、再上場することが11日の株主総会で決まり、現地時間28日の今夜、2018年も残り数日というこのタイミングでカムバックしてきます。 今回の再上場はIPOという形式ではなく、株式交換の形式で再上場となります。どういうこと…

ジャンク債と化しているGE債

苦しい状況下にあるGE、ゼネラルエレクトリック。これまでトップ企業として君臨し、過去には格付けでトリプルAを獲得してきた企業です。しかし現在、GEの一部債券は債券価格が60台になるほど売り込まれています。その一部債券というのは主に永久債です。 永…

IB証券(インタラクティブブローカーズ証券)に口座開設してもよいかもしれない人

米国株投資家の中では有名なインタラクティブブローカーズ証券(以下IB証券)。手数料は安いのですが、口座維持手数料がかかったり、初回の入金金額が設定されていたりと、敷居が高いことでも知られています。しかし、色々検討してみるとある程度のお金を積み…

PFFについての記事を書く人は優先株について無知である

ちょっと過激なタイトルにしましたが、カナリーはPFFについての記事を書いた人が、優先株について、実はあまり詳しくない、もしくはあまりよく考えていないのではないかと思っております。彼らの多くは「優先株の残余財産の受け取り順位が普通株に対して優位…

UTX ユナイテッドテクノロジーズの分社化。分割される3つをみてみる

先月末の話ですが、ユナイテッドテクノロジーズが3つの会社に分社されることが公式的に発表されましたね。恐らく、航空機関連の事業を行うロックウェル・コリンズの買収が成立したと同時に発表したのだと思います。今回の分社では、エレベーター事業とビル関…

RHT RedHadが残す残飯7%

来年にIBMに買収される予定のRedHat。IBMはこのディールで、レッドハット株を1株当たり190ドルで買い取るとしています。 スポンサーリンク // ですがRedHatの株価は現在177ドル近辺で推移しています。つまり、買取価格との間に、約7%のスプレッドが存在して…

P&G ジレットを減損するかもしれない

P&Gは今年8月に公表している10-Kの中で、P&Gが持つシェービング部門とジレットののれんに減損リスクがあることを明かしています。まあこれは2年前から公表されていますが。 スポンサーリンク // 減損とは乱暴に言ってしまえば、帳簿簿価(今回で言えばジレッ…

スピンオフされる予定のGEヘルスケアをみる。スピンオフ時の株価についても解説

目次 GEヘルスケアのデータ スピンオフ時の株価はどうなるか。 GEヘルスケアのデータ GEは来年あたりにヘルスケア部門をスピンオフする予定ですね。スピンオフを楽しみに待っている方も多いのではないでしょうか。スピンオフされれば収益が安定しているヘル…

DVMT DELLが作る変態向けの面白いシチュエーション

(この記事は全てカナリーの自己満によって生成されています。) リーズナブルなパソコンを作るデルですが、親会社は現在、デル・テクノロジーという名前となっています。現在デルはトラッキングストック(ティッカー; DVMT)というものを発行し、上場させていま…

個別株への超長期投資の難しさを改めて思い知る(1978年のダウ構成銘柄をみて)

先日、カナリーはふと、「40年前の大型株とはどういった企業だったのだろうか」と気になりました。というのも、もし「超大型株に投資してほったらかしにしておけば良い」という主張が合っているのなら、40年前の超大型株の多くはダウ平均と同じくらいか、も…

BUD アンハイザー(バドワイザー)の減配から考える減配リスク

1週間以上も前の話なので、知っている方も多いと思いますが、バドワイザーを製造するアンハイザー ブッシュが減配を発表しましたね。昨年の3.6ユーロから1.8ユーロに減配予定とのことですから、配当が半減することになります。因みにこの減配は為替の影響で…

IBM レッドハットの買収がOKでAmazon株の投資がダメなのは矛盾してないか (IBM自社株買い止めるってよ)

先週だか今週だかにIBMがRed Hatを買収すると発表しました。ほとんどの方が知っているのではないでしょうか。賛否両論あるようですが、IBMホルダーの方は今回の買収を好意的に受け止めているのかなというのがカナリーの印象です。 さて、ここからはカナリー…