カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

金と金利の関係は不変ではない

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金利が上がれば金が下がり、金利が下がれば金が上がるということを最近よく聞きます。理屈としては、金には利息がつかないため、金利が上がってしまうと利息が付く現金の方が魅力的になり、一方で金利が下がればその反対になるということです。

 

しかし、この相関関係は常に同じというわけではなさそうです。カナリーが読んだ本には以下のように書かれています。

 

私がトレーディングを始めたときに頻繁に耳にしたことは、金利が高くなれば貴金属の価格が高くなるというものだった。

カプランのオプション売買戦略: 優位性を味方につけ市場に勝つ方法 より引用

 

本の著者であるカプランがオプショントレーダーになった頃は、

 

金利が高くなればインフレ懸念を誘発し、それが貴金属価格を上げ、逆に金利が下がれば、利益の出ない貴金属に投資する理由がない。

 

という現在とは正反対の理論が一般的だったそうです。これがいつ頃の話なのかは明確には分かりませんが、カプランはこの記述後に1978年のスイスフランと金価格の話を持ち出して色々説明しているので、その辺りの話かもしれません。

 

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さて、このカプランの記述は何を示唆しているでしょう。

 

それは、異なる金融商品間の相関関係は時代とともに変化するもので不変の方程式はないということ。実際にカプランも、時代とともにこのような異なる金融商品間の相関関係は変わっていくものなので、相関関係を使ってトレードする人は時代に即した考え方が必要だと述べています。

 

ただはっきり言ってカナリーは異なる金融商品間の相関関係というのはあって無いようなものだと考えています。結局のところ市場が偶然そう動くので後付けで理由が形成されてきたようなものではないかと。まあでも確かに、一般的に言われているように相関するんですよ。ただそれが将来も続いていくかと言われると決してそうではないと思うのです。なので、何か特別な関係(例えば同一企業が発行する株と転換社債の関係)や株とその株の発行体のビジネスに直接関わるモノとの関係(石油株と石油価格など)ではない限り、一般的に言われている相関関係について当てにすべきではないというのがカナリーの意見です。

 

このような考えから、異なる金融商品間の相関関係をさも不変の方程式のように断言したり、扱ったりし、経済や投資を語ったりするのは正しいことではないとカナリーは思います。

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