カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

株価が100ドル超えたP&Gを分析!

最近、100ドル寸前でくすぶっていたP&Gですが100ドルを超えて高値を記録しました。株式分割調整後で最高値を更新しています。そんなP&Gを見ていきたいと思います。

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  •  売上・利益を分析

まずはオーソドックスな指標から。

 

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モーニングスターより引用

利益率は良くなっているのですが、最近はプライベートブランドの台頭などもあって、売り上げや利益を右肩上がりに成長させることが出来ていません。先日にクラフトハインツが暴落した際にバフェットがプライベートブランドの脅威について触れていましたが、P&Gにとっても他人ごとではなく、今後もプライベートブランドに押されていくような展開になるかもしれません。

 

P&Gに投資する米国株投資家の多くは、恐らく成長力について気にしていない方が多いと思います。しかし、アメリカでは低水準ながらインフレが続いていることを考えれば、物価上昇率を補う分だけは成長して欲しいところです。また増配を続けていくためにも、利益を上昇させる必要がありますから、投資家の方は成長力についても多少は注目する必要があります。

 

  •  ちょっと脱線

P&Gだけでなくアメリカの生活必需品企業(食品なども)全般に言えることですが、これらの企業は90年代からリーマンショック頃までは結構な勢いで成長していたんですよね。この記事にも書いたのですが、

www.canary-w.com

 

P&Gは10年前にはグロース株として扱われていました。

 

P&Gではありませんが、バフェットがコカ・コーラ株への長期投資を成功させた要因は、90年代後半のアメリカの4%台の高成長率が要因だと思います。なので、カナリーはP&Gやコカ・コーラといった安定した生活必需品株が成長するには国の成長率というのも大きなカギになるのではないかと考えており、今のアメリカや他の先進国の微妙な成長率の中で、P&Gを含む生活必需品企業に以前のような成長を期待するのは酷だと考えています。まあP&G投資家の中で成長力を求めている人は少数だと思いますが…。ただ、やはり長期投資を成功させるには、控えめであってもある程度の成長力が必要だとカナリーは考えています。なので、P&Gにはもう少しでいいから成長しろ、大人になれと言いたいところです。

 

  • なんだかんだでアウトパフォーム(直近1年)

 

現時点では高い成長率が期待できない一方で、P&Gのような安定企業の株が下落した時というのは、市場をアウトパフォームするチャンスではないかとも考えています。昨年にP&G株は下落しましたが、直近1年のパフォーマンスをみると結果的にはS&P500を大きくアウトパフォームしています。

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ゼネラルミルズのような食品株でも2,3年下落を続けていることを考えると、下落局面での買いは勇気がいりますが、P&Gが安定的に利益を生み出していることを考えれば、下落局面はやはり大きなチャンスになるのかと思います。

 

  • 将来の展望(個人的な考え)

カナリーの個人的な考えですが、売り上げや利益がここ数年のように上がらない状況が続けば、経営陣は企業買収を考え出すのではないかと思います。現状、生活必需品企業が以前のような成長力を取り戻すのは厳しいです。しかし、M&Aで有望な企業を買収してしまえば数字上の売上高や利益は手っ取り早く押し上げることが出来るので、企業買収は一つの手段だと思います。

 

一方で、買収という手段を選択した場合、買収する価格に気を付けないと減損する羽目になります。実際に以前P&Gが買収したジレットは減損寸前のところまで来ていますから、経営陣には適正な価格でM&Aを行って欲しいものです。因みにジレットの減損リスクについては以前の記事にて詳しく書いたので、気になる方は是非読んでみて下さい。

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