カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

ガソリン代高騰に備える。マイカー持ちの田舎者は石油株か原油ETFを買うべきでは。

田舎に住んでいる人にとって生活に欠かせない物の一つが車ではないでしょうか。カナリーは田舎に十年以上暮らしたことがあるので、田舎者にとって車がどれほど重要なものか理解しているつもりです。都会の人は”車”を娯楽のアイテムとして買う方も多いと思いますが、田舎者にとっては”生活必需品”となります。田舎の場合、バスもあまり無いですし、町が車社会を前提として作られているので、自転車で買い物というのは距離的に難しいです。またド田舎の場合、一番近くのスーパーまで行くのに山を越えていくことも珍しくありません。まあ住んでいる町や地域によってはバスが発達していたり、自転車だけで移動できるかもしれませんが、ほとんどの田舎者にとって車は必需品になってきます。

 

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このような方たちにとって最悪な時期はガソリンが値上がりしているときです。給油に行くたびに、”高い高い”と嘆きます。そして、ガソリンスタンドを見つけては値段表示を見て、1円でも安いスタンドを見つけだそうとします。ガソリン代の高騰は生活費を直撃しますから、このような行動は当然でしょう。

 

さて田舎者はこれからも無抵抗なまま、ガソリン代上昇に悩まされることになるのでしょうか。カナリーとしては金融や投資の力を利用してある程度対抗することが可能ではないかと考えています。具体的に言えば、ガソリンの値上がりリスクは株、ETFなどで相殺(ヘッジ)出来るのではないかと思っています。それぞれの手段について少し考えていきたいと思います。

 

石油株

1つめの手が、石油株を買うという方法です。石油企業の業績は原油価格に左右され、原油価格が上昇すれば売上、利益の増加が見込め、その結果、石油株の株価も上向きます。反対に、原油価格が低く推移すると売上が減少しますから石油企業の業績も下降します。つまり、原油価格の上昇で喜ぶ石油会社はマイカー持ちの田舎の方と反対の立場なわけです。ですから、マイカー持ちの方が石油株を持てば、原油価格の上昇による切迫感を和らげることが出来ると思います。石油株を持つことで原油価格上昇の恩恵にあずかれますし、反対に原油価格が下がれば、自分の車を安く給油することが出来ます。また株を保持すれば配当なども受け取れますから、資産を増加させる効果もあります。

ただデメリットもあり、株では”完璧なヘッジ”が出来ません。自分が使うガソリン量に対して”完璧”にヘッジするためには、使うガソリン量に対して適切な分量のガソリン・原油価格連動の金融商品をロングする必要があるでしょう。しかし、石油株はあくまで”株”なので自分が使うガソリン量に対して、どのくらいの株数を購入すればよいかを明確に決めることが出来ません。ですから、石油株を買う場合は”ヘッジ”というより”原油価格上昇の恩恵を受ける”という形になってしまいます。また原油価格と必ずしも強い相関関係にあるわけではありませんから、石油株でガソリン価格を完璧にヘッジをするというのは難しそうです。

 

先物

2つ目の手段は原油やガソリンの先物を買うことです。カナリーは先物取引が必要な商売に関わっている訳ではないので、実際の現物に対するヘッジ手法に詳しいわけではないのですが…。先物は商品の将来の売値や買値を固定する(ヘッジ)することが本来の目的ですから将来のガソリン代の上昇を先物でヘッジするという方法は理に適っていると思います。ただ、先物は取引するスケールが大きく、1回の先物取引のガソリン量が1回の給油分を優に上回ってしまうため、個人のガソリン代のヘッジには向いていないでしょう。

 

ETF

原油価格連動のETFを活用する手段もあります。原油価格連動型のETF東証にて以下の2つが上場しています。

コード

ETF

1671

WTI原油価格連動型上場投信

1699

NEXT FUNDS NOMURA原油インデックス連動型上場投信

 

どちらも3000円台から5000円台で購入できますから、単純に値段という観点からみれば1回の給油分に対してヘッジが出来ます。恐らく完璧に近いヘッジをするならば、毎回の給油に合わせてETFを売買していくべきでしょう。しかし、例えば毎月1台につき1回給油すると仮定し2台所有の場合、毎月2回はETFを売買することになりますから売買手数料がかさんできてしまい、ヘッジどうのこうのではなくなります。ですから、こちらも個人にとってベストな手段とはいえないかと思います。

 

と、先物ETFをヘッジ手段として考えてみると、取引量が大きく、また売買回数が多くなる結果、手数料が大きくなることが分かります。そう考えると、そもそも個人的にガソリン価格の上昇をヘッジするのは難しいのかもしれません。ただ石油株を保持した場合、ヘッジとまでは言えないが、”原油価格上昇の恩恵”にあずかることが出来、ガソリン価格の上昇にそれほど悩むことはなくなるのではないかと思います。むしろ原油価格上昇を喜ぶようになるかもしれません。ですから、マイカー持ちの田舎住みの方にとってある程度の量の石油株を購入、保持することは、自身の家計を守るための有効な手段の1つといえるのではないでしょうか。