カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

バイバック株が受ける株価下落の恩恵

最近になって株価が下落傾向ですね。よく高配当株は下落していても配当が出るため、安心感があり、株価も落ちにくいという話をよく聞くと思います。一方で、自社株買いで株主還元をするバイバック株は下落の影響を受けやすいという話もよく聞きます。まあ確かにそうなのですが、だからといって株価下落がバイバック株にとって全面的にネガティブかというとそうではないと思います。

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まあこれはバフェットの考えですが、バイバック株にとって株価下落は株主価値を向上させる一つの大きなチャンスでしょう。なぜか。それは単純に企業が自社株買いで買い付けることができる株数が増えるからです。例えば昨年、A企業の株価が100ドルで、自社株買いの予算が10000ドルだった場合、合計で100株を自社株買いすることができます。一方で、この企業の株価が今年の暴落で50ドルになった場合、この企業は、同じ予算で2倍の株数を買い付けることが出来る、つまり200株の株を自社株買いすることが出来るのです。ということは、株価が下落すれば、バイバックされる株数が増えます。バイバックされる株が増えれば、出回っている株数はその分減りますから、その分だけ株主価値が向上することを意味します。

 

こう考えると、今回の下落で落ち込んでいる方も、少し気持ちが晴れるのではないでしょうか(笑)。まあそんなことでは晴れないですよね(笑)。先日フェイスブックが自社株買いの発表をしましたが、このようなタイミングで自社株買いをしてもらえると、株主にとって安心感が生まれるのはもちろんのこと、自社株買いをより効果的に行えますから、このような時こそ自社株買いを実施してもらいたいですよね。ただ実際には、株価上昇時に積極的にバイバックして、下落時に消極的になる企業も結構多いですが(まあ業績に連動させるという意味では自然なのかもしれませんが…)、カナリーとしては逆に、株価下落時こそ企業には効果的に自社株買いをしてほしいと願っているところです。

 

本当は「自社株買いによって株主価値も上がるから、そのうち株価もちゃんと上がるよ!」と言いたいところですが、まあそうとも言い切れないというのが正直なところです。例えば、IBMは自社株買いをそれなりにやってもズルズル株価が下がっており、自社株買いで買い付けることが出来る株数は増えているにもかかわらず、株価がなかなか上昇しません。ですから自社株買いが、必ずしも株価を持ち上げてくれるとは限りません。

 

ただ、業績が損なわれていたり、企業が衰退していなければ、株価の下落は企業にとって自社株買いを効果的に行い、株主価値を上げることが出来るチャンスですから、自社株買いを継続的にしてくれるバイバック株をお持ちの方は、今回の下落をポジティブに捉えてもいいのかもしれません。

 

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