カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

エルメスの株価・高い成長力と収益性

全ての女性にとってエルメスの財布や100万近くするバーキンは憧れであると同時に手が届かないものと思っているでしょう。しかし、エルメス株ならおよそ500ユーロで買えます。

 

パリ証券取引所に上場するエルメス・インターナショナルはブランド力だけでなく、収益性や資本効率性の面において優れており、カナリーが見つけた限り、これらの点においてはヨーロッパ株の中でTop5には入るのではないかとも思っております。まずは資本効率性や利益率を少し見ていきたいと思います。

 

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この表では5年間しか載せていませんが、ここ10年間、営業利益率は常に25%以上を保ちながら上昇しているような状況で、スーパースター銘柄の一つといってもいいと思います。まさに”ブランド力”をいかして高い利益率をあげてきています。しかも、ブランドの伝統的なイメージとは裏腹に売上高や利益を着実に成長させているのも大きな特徴です。以下が年平均成長率となっています。

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一方でモーニングスターを見る限り、配当や自社株買いといった株主還元は少ないようです。この辺はすこし考えどころですね。ただ企業として成長しているのであれば、株主還元をしてもらうよりも、内部留保エルメス自身に成長してもらったほうがよいかもしれません。

 

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少し面白かったのが、エルメスが公表している地域別売上高です。そのグラフによると日本で全体の13%を売り上げているようです。人口が2倍あるアメリカで18%の売上高ですから(まあ買う人は金持ちに限られているので、人口で比較してはダメですが…)、日本人が狂ったほどにブランドモノ好きであることが表れているのではないでしょうか。

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さて株価関連の指標をみるとPERが40倍近くあるため、割高といえるでしょう。しかし以下の通り、割高だろうとも株価はぐんぐん上がってきました。

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最近まで他のファッション・リテール株と同様に下落していましたが、現在はまた反発しています。キリのいい2010年1月1日から換算すると、2月18日現在で、490.78%の上昇を遂げています。これは配当を考慮していませんので、配当再投資後のパフォーマンスはもう少し高いと思いますが、エルメスはそこまで配当に力は入れていませんから、大きく変わることはないと思います。またエルメスは自社株買いをほとんどせず、ビジネス自体の成長性で株価を上昇させています。これは積極的に自社株買いをする米国株とは異なる点で、エルメスのビジネス自体が強いことの表れだと思います。ただバリュー指標を考慮すると、現時点では投資家の投資戦略によって好き嫌いがはっきりするかもしれませんね。

 

今回はざっくりエルメスを見てきました。「エルメス」という響きとあの馬車のマークに魅力を感じる人は多いですから、今後も成長が見込めるのではないでしょうか。ヨーロッパではIT企業のような現代をリードする産業がアメリカや中国などより弱いかもしれません。しかし、世界の人が憧れる”伝統的で高級感あるブランド”を持つ企業が多いですから、こうした欧州企業を調査してみるのもいいかもしれません。

 

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