カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

IB証券(インタラクティブブローカーズ証券)に口座開設してもよいかもしれない人

米国株投資家の中では有名なインタラクティブブローカーズ証券(以下IB証券)。手数料は安いのですが、口座維持手数料がかかったり、初回の入金金額が設定されていたりと、敷居が高いことでも知られています。しかし、色々検討してみるとある程度のお金を積み立てられる人や取引回数がある程度多い人は、手数料の面においてIB証券が有利なのではないかと思っております。まあこういう方はブルジョア層かもしれませんが…。ただ、ブルジョア層ではなくても、IB証券の口座開設を検討するに値する投資家もいると思いますので最後まで読んで頂ければと思います。

 

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まずカナリーの意見としては以下の条件に該当する方は検討する余地があると思います。

 

1. 3800ドル以上を積み立てられる人

 

このような方々は、口座維持手数料の10ドルを支払ってでもIB証券での取引の方がコストが安く済むのではないかと考えています。なぜか。主な手数料を見ていきながら、有利な理由を考えていきます。長いので時間がない方は目次を使って上手く読んでください。

 

 

  • 主な手数料

  • 取引手数料

まずIB証券の取引手数料は以下の通りです。

 

Fixed(固定型) 1注文あたりの最低手数料 1注文あたりの最大手数料
USD 0.005(1株あたり) USD 1.00 取引代金の1.0%

 (引用; https://www.interactivebrokers.co.jp/jp/index.php?f=2763&p=stocks1)

 

ここでの注意点は、手数料が株数によって決まることです。つまり、同じ金額を取引する場合、値嵩株の取引は優位だが低位株の取引は不利となります。

 

例えば、Amazon株は現在1株1600ドル以上で取引されています。もし2株買い付ける場合、日本の証券会社だと0.45%の手数料がかかるので、約3200ドルに対する0.45%で、手数料はおよそ14ドルから15ドルになると思います。一方でIB証券の場合、2株しか買い付けないので、最低手数料を考えなければ、手数料は1ドル以下となります。ただ最低手数料が1ドルなので、手数料は1ドルになります。

 

この手数料体系だと、よっぽどの金額を取引するか、よっぽどの低位株(1ドル以下で取引されている株)を取引しない限り、手数料は最低取引手数料の1ドルになると思います。

 

  • 口座維持手数料

IB証券の口座開設を躊躇させる一つの理由は、毎月の口座維持手数料の10ドルでしょう。しかし、この手数料は、その月の取引分が差し引かれることになっています。つまり、ある月に手数料1ドル分の取引をした場合、口座維持手数料は9ドルとなります。

https://www.interactivebrokers.co.jp/jp/index.php?f=236&p=act 

(最初の文章に仕組みが書いてある)

 

ということは、1か月の取引手数料が口座維持手数料の10ドルを超えない限り、その月の総手数料は10ドルとなるわけです。

 

  • 海外送金(入金時の手数料)

次に海外送金手数料を考えなければなりません。今回は日本居住で円建てで入金する前提です。この場合、三井住友銀行では、店頭であろうが、SMBCダイレクトであろうが手数料は800円になります。これは日本円をIB証券の口座に入れる場合、送金先がシティバンクの東京支店になるため、海外送金でありながら日本国内の非居住者宛の送金になるからです。

 

この非居住者宛の海外送金について他のメガバンク2行に電話で問い合わせると、三菱UFJは口座を持っている場合、非居住者宛の円建て海外送金は確かに800円になるそうです(HP等で公式にアナウンスはしていないそうです。三菱UFJから送金を考えている方は直接問い合わせてください)。一方でみずほ銀行は普通の海外送金と同じく5000円ほど取ると電話で仰っていました(笑)。他にもSMBC信託銀行という選択肢もあると思いますが、この銀行は口座維持手数料がかかるので、メガバンク2行の方がベターかと思います。

 

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1. 毎月3800ドル以上を積み立てられる人が有利な理由

まず、毎月3800ドル以上を積み立てられる人がなぜIB証券が有利かを考えていきます。

 

ものすごく大きな金額(200万円とか)を積み立てせず、積み立て回数が月1回で、売却を考えない場合、IB証券の毎月の手数料は

 

10ドル(取引手数料込みの口座維持手数料) + 800円(海外送金手数料) = 17.07ドル(1ドル113円の場合)

 

となるわけです。

 

一方で日本の証券会社の場合、手数料は基本的に取引金額に対して0.45%となっています。これを踏まえて、日系証券で米国株の取引手数料がIB証券と同じ17.07ドルになる取引金額を算出すると、

 

17.07ドル(IB証券の1か月分の推定手数料) ÷ 0.45% = 3,793ドル

 

となります。つまり日系証券では3793ドル以上を取引する場合、手数料が17ドル以上かかってきます。ということは毎月3793ドル以上積み立てる場合は、IB証券の方が有利になるのではないでしょうか。

 

ただ少し難しいのは日系証券は手数料上限を20ドルに設定している点です。例えば4500ドルで低位株を買う場合、IB証券では株数が増える分だけ手数料が嵩む一方、日系証券は20ドルと一定なので日系証券の方が有利になる可能性もあると思います。正直このあたりは銘柄などによって変わってくると思います。

 

上のシミュレーションは毎月1回積み立てを行う人を想定していますが、毎月2回以上取引する場合は、IB証券で取引したほうが更に有利になるのではないかとカナリーは考えています。

 

例えば…

 

2300ドルの買いと売りを1か月でそれぞれ1回した場合、

 

SBIなど 20.7
IB証券・口座維持手数料込み
(株価0.95ドル以下の低位株を除く)
17.08

 

となり、金額が大きくなくても売買回数が増えれば、IB証券が有利となります。

 

タイトルでは「3800ドル以上を捧げる人」とややこしいことを言いましたが、3800ドル以上を積み立てていなくてもカナリーが考えるIB証券における毎月17ドルの手数料の1年分、つまり204ドル以上の手数料が日系証券との取引においてかかっている人は、例え口座維持手数料を払ってもIB証券の方が有利になる可能性があると思います。ですから、一度1年分のトータルコストを見直すことをお勧めします。

 

もちろん取引頻度、取引する株、金額によってIB証券の手数料が変わってくることは間違いないので、検討する方はカナリーが仮定している17ドルを鵜呑みにせずにご自身で計算することを強くお勧めします。

 

口座維持手数料が気になって、カナリーも最近までIB証券を検討したこともありませんでしたが、トータルのコストを考えればIB証券の方が最終的に安く済むのではないかと考えるようになりました。ただ、特定口座がないなどのデメリットもあるので、そこらへんも考えなければなりませんね。またNISAを活用している人は、IB証券を併用すると例え条件に合致しても不利になるかもしれません。

 

今回のシミュレーションや意見はカナリー自身のものであり、買い付ける銘柄や取引金額によっては違った結論になるかもしれません。このページを参考にしながら、ご自身でコストを試算し検討していただければと思います。

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