カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

ジャンク債と化しているGE債

苦しい状況下にあるGE、ゼネラルエレクトリック。これまでトップ企業として君臨し、過去には格付けでトリプルAを獲得してきた企業です。しかし現在、GEの一部債券は債券価格が60台になるほど売り込まれています。その一部債券というのは主に永久債です。

 

永久債はその名の通り、永久に償還されない債券です。つまり株式と同じように企業が存在する限り発行され続けます。しかし株式とは異なり、永久債は紛れもなく有利子負債であり、企業は利子を必ず払わなければなりません。ただ、実際には償還条項が付いているため、企業側が都合の良い時期に償還することができます。

 

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さて、こちらがGE永久債の価格推移です。

 

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確かに最近まで債券市場全体の価格は下がってきていましたが、この下げは単純にGEが悪い状況にあるからでしょう。実際、3カ月前ほどまでは90-100前後で売られていましたが、現在は62まで下がっています。劣後永久債とはいえ、低金利の環境で62の価格が付くということは、このGE永久債がジャンク債といえる状態にあることを示しているとカナリーは考えています。

 

またGEキャピタル発行の2032年満期シニア債も60台で売られており、利率は7%台となっています。

 

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実はGEの社債のほとんどはGEキャピタルが発行元となっており、GE本体が発行元となる社債は非常に珍しいものとなっています(上の永久債はGE本体発行)。ですから、GEキャピタルが実質GEの資金調達を担っていると解釈しても問題ないと思います。そう考えると、例えGEキャピタル発行の社債であったとしても、この社債の価格というのはGE本体の状況を反映しているものだと思います。

 

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ちょっと即興で思い付いたアイデアですが、この永久債を買いながら、永久債と同じ順位の普通債を売るとどうなるのかなと…。というのも、もしGEが永久債を償還できるまでに復活し、永久債がもし本当に早期償還された場合(2022年から償還可能)、永久債の投資家は2022年に償還された場合、年率20%程の利益を受け取ります。永久債のロングと同時に普通債を売れば、ヘッジしながら早期償還された永久債と、利率が5-6%の普通債との利率差を取れると思ったのですが…。恐らくこのポジションの場合、GEに破綻されてもあまり痛手を負わないのかなと考えたのですが。一方で、普通債が問題なく償還され、永久債が早期償還されないシナリオが最悪だと思いますが、どうなんでしょう…。でもそれはそれで利益になるのかな?まあ債券に詳しい方からの突っ込みお待ちしています(笑)。ただ個人で個別の債券売りをやるのは基本的に不可能ですがね(笑)。

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