カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

IBM レッドハットの買収がOKでAmazon株の投資がダメなのは矛盾してないか (IBM自社株買い止めるってよ)

先週だか今週だかにIBMRed Hatを買収すると発表しました。ほとんどの方が知っているのではないでしょうか。賛否両論あるようですが、IBMホルダーの方は今回の買収を好意的に受け止めているのかなというのがカナリーの印象です。

 

さて、ここからはカナリーの勝手な妄想によって話が進んでいくのですが、

 

IBMホルダーの多くの人は、バリュエーションを重視していると思います。

 

そしてこれまた勝手なイメージですが、バリュエーション重視の方はAmazonのような高PERを毛嫌いしていると思います。

 

ここでカナリーがすごく疑問なのが、なぜそのような方々が、PERが100倍以上もするRed Hatの買収がOKで、なんで同じくPERが100近くあるAmazon株への投資がダメと主張しているのかが良く分かりません。

 

Red Hatの方が成長できる!」と主張するかもしれません。しかしRed Hatの年平均成長率は15-20%ですが、Amazonの年平均成長率は20-30%です(モーニングスターのkey ratioのページより)。今後Red Hatが大きく成長するかもしれませんが、それはAmazonにも当てはまるのではないでしょうか。「シナジー効果が期待できる!」と言う方もいるかもしれませんが、「シナジー効果だけでPER100倍の割高さを払しょくできるのかよ」っと思ってしまいます。強いて言うならRed Hatの株価に対するキャッシュフロー倍率が40倍ぐらいだから、Amazonより割安と言えるのかもしれません。ただ結局、倍率40というのはバリュー重視の方にとっては高いのではないでしょうか。

 

まあ、厳密にいえば、「買収」と「株を買う」というのは異なりますが、それでも「ビジネスを買う」という点においては、両者とも似通っています。ですから、バリューを重視するIBMホルダーの方が、Red Hat買収とAmazon投資について異なる立場をとるのは、かなり無理があるように思えます、というか完全に矛盾していると思います。

 

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この話は、IBMの買収についてなので、別にIBM株への投資を否定しているわけではありません。ただ、IBMホルダーの方は1つ注意すべき点があると思います。それは、IBMは2020年と2021年の自社株買いを行わない予定であることです。

https://www.ibm.com/investor/att/pdf/IBM-RED-HAT-Press-Release-10-2018.pdf

(3ページ目の1番下の最後の文)

 

このことは、あまり日本語であまり触れられていない気がしますね…。因みに記事の冒頭でカナリーのイメージで話を進めると言いましたが、これは妄想でもイメージでもなく「ガチ」な公式発表です。

 

IBMの株価はここまで大規模な株主還元で支えられてきた部分もありますから、これは、結構ダメージが大きいのではないかなと思います。