カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

UTX ユナイテッドテクノロジーズの分社化。分割される3つをみてみる

先月末の話ですが、ユナイテッドテクノロジーズが3つの会社に分社されることが公式的に発表されましたね。恐らく、航空機関連の事業を行うロックウェル・コリンズの買収が成立したと同時に発表したのだと思います。今回の分社では、エレベーター事業とビル関連機器事業をスピンオフするとのことで、ユナイテッドテクノロジーズとしては、今後、航空関連の事業に専念していくそうです。

 

今回はこの分割される3つの事業を少しみていこうかと思います。

 

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  • 航空関連部門

航空関連部門はこれまでUTC エアロスペース・システムとPratt & Whitneyで構成されてきましたが、ここに今回買収したロックウェル・コリンズが加わり、1つの企業として事業を行っていくことになります。今回は1つの会社になるという想定の下、3つのそれぞれの部門(企業)の過去の業績を足し合わせて以下にまとめ…ようとしたのですが、ロックウェル・コリンズだけ9月決算だったので別にしました。

 

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利益率は、どうなんでしょう…。航空関連の産業と考えると良いほうなのかもしれません(あまり航空関連の企業をみたことなかったので…すみません。)。まあ明らかなのは、これから仲間入りするロックウェルコリンズの売上高と営業利益が上昇しているということでしょうか。

  • エレベーター事業

エレベーター事業はもともとUTXのものではなく、オーチスを子会社として事業展開しているものです。日本ではあまり見かけないオーチスエレベーターですが、海外に行くとオーチス製のエレベーターやエスカレーターをよく見かけます。さてそのオーチスの業績は以下の通りです。 

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カナリーの勝手な先入観として、エレベーター事業は、利益率が低いのではないかと思っていたのですが、そこそこの水準となっており、正直驚いています。

 

  • ビル関連機器事業

この部門の英語名は UTC Climate, Controls & Security なのですが、直訳すると「UTC天候・制御・セキュリティ事業」となり、何をやっている部門なのかさっぱり分からないので、ビル関連機器事業としました。40年ほど前にキャリアという企業を買収し、事業展開しています。空調や火災報知器、防犯関連の機器などのビルに関わる製品を扱っている部門です。この部門の業績は以下の通りです。

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利益率に関して言えば、航空関連部門より他の2つの部門の方が高いんですね…。

 

と、ここまで簡単に分社する3部門をみてきました。スピンオフや分社は事業の効率性が高まるため、企業価値や株価がスピンオフ・分社前に比べて上がることがよくあります。更に、スピンオフや分社といったイベントの際には、分社したそれぞれの企業の価値が曖昧になり、その結果、それぞれの株に面白い値段が付くことが時々あります。そのため、イベント前から、分社される部門について調べることには、ある程度意義があると考えています(情報は限られていますが…)。今回の分社イベントが投資家に利益をもたらすかは知ったこっちゃありませんが、興味深いイベントですから注目してみてはいかがでしょうか。

 

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