カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

AMZN アマゾン投資家が監視すべきこと

急成長を遂げているアマゾン。売上げや純利益も右肩上がりですが、カナリーがアマゾンの10-kを斜め読み(適当ですみません)した際、アマゾン投資家が注意すべきかなと感じた部分があったので、紹介したいと思います。それは…

 

We seek to efficiently manage shareholder dilution while maintaining the flexibility to issue shares for strategic purposes, such as financings, acquisitions, and aligning employee compensation with shareholders’ interests.

 

我々はファイナンス、企業買収、従業員への株式報酬(ストックオプション)といった戦略的目的のための新株発行への柔軟さを維持する一方で、株式希釈化に対処していきたい。

(引用: Amazon 10-K for the fiscal year ended Dec 31, 2017, p.20)

 

この文は恐らく、アマゾンとしては希釈化に対処していく姿勢を示したいのかもしれませんが、一方でカナリーは「これからも希釈化する予定だよ」と示唆しているようにも思えました。

 

彼らはこれからも新株発行、すなわち株式交換による買収で企業規模を拡大していこうと考えていると思われます。こうした状況でアマゾン投資家が気をつけることは何でしょうか?

 

それは、買収によって売上げや利益は上がっていくものの、株式交換による希釈化によって株主価値が上がらない、もしくは、下がってしまうという状況にアマゾンが陥ってしまうことです。株式交換などの手法で企業を買収した場合、株主価値を上げる為に企業は希釈化以前よりも頑張る必要があります。例えば買収先とのシナジー効果で、資本効率性や、利益率を向上させる等。希釈化していますので、買収しておしまいという訳にはいきません。アマゾンなら上手くやってくれそうな感じはありますが、簡単なことではありません。

 

ですから、アマゾン株主は今後、買収案件をしっかりチェックしていく必要があるとカナリーは考えています。どういった企業を買収するのか、どれくらい希釈化するのか、いくらで企業を買うのかなど。まあこれはアマゾンだけに限ったことではありませんが…。アマゾンの投資家の方々はただ単に右肩上がりの売上げや利益を見るだけでなく、個々の買収案件や株主の価値について注意を払う必要がありそうです。

 

※投資は自己責任でお願いします。

※引用された英文本文をご自身で確認することを強くお勧めします。