カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

GNTX ジェンテックスっていう利益率の高い会社

今回はカナリーが気になって10-Kを読んだ、ある企業について紹介したいと思います。ジェンテックス(Gentex Corporation)という自動車のドアミラーやバックミラー(ルームミラー)を製造している企業です。また火災探知機や航空機部品も製造していますが、9割方の売り上げが自動車のミラー製造によるものです。S&P400に組み入れられていますので、中型株といえるでしょうか。

 

この企業の特徴は利益率が高いことです。過去15年間の売上高や利益率などは以下の通りです。

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(Morningstar,過去の10-Kより)

ROEROAも15%-20%で推移しており、バランスシートも非常に強いです。ただ景気に左右される自動車業界ですので、リーマンショック時には、やはり利益率等が落ち込んでいます。

 

10-Kによれば、この企業は自動防眩ミラー(眩しさを軽減するミラー)を開発しており、この商品におけるジェンテックスのマーケットシェアは93%で、市場をほぼ独占しているそうです。自動防眩ミラーが普通のミラーに対してどのくらいの割合で取り付けられているのかは分かりませんが、利益率を見る限り需要があるのかなと感じます。主なライバル企業はMagna International(自動車部品メーカー)などだそうです。

 

さて、恐らく投資家の皆様が心配している点は、将来ミラーが車から無くなることだと思います。事実、BMWはミラーの代わりにカメラを取り付けた次世代型の車を開発したらしいですから、今後、ミラーがカメラに置き換わるという可能性も考えられます。トヨタも最近、ミラーをカメラに置きかえた車を発売する予定だとニュースになってましたね。ジェンテックスはこの技術革新の流れについてリスクであると10-Kで示唆している一方で、2年前のインタビューでは次のようにも述べています。

http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1610/28/news026_2.html

 

ジェンテックスによれば、「カメラ型のミラーは夜や天候不順(雨や霧)の際に、見えなくなってしまう、見えにくくなってしまう点が弱点であり、カメラ型のミラーでは安全性が損なわれる可能性がある。そのため、カメラ型ミラーと従来のミラーを併用するのが望ましいのではないか。」と考えているようです。この点は今後、各国の政府、運輸局が判断していくことでしょうから、正直どうなるかは分かりません。今後投資家は注視していく必要があるでしょう。

 

将来については不確実性が多いのも確かですが、現時点では高い資本効率性、利益率とマーケットシェアを誇る企業です。

 

※投資は自己責任でお願い致します。