カナリーの米国株10-Kコレクション

米国株10-KやAnnual reportの訳を気の向くままに

GOOGL 配当開始を期待するグーグル株主の方、残念ですが…

近年、グーグルが多くの利益を生み出し、多くの現金を保有していることから配当を期待している方も多いのではないでしょうか。しかし、残念ながら現時点でその見込みは薄いと思われます。その根拠としてグーグルの10-kにこのようなことが書かれていました。

 

We intend to retain any future earnings and do not expect to pay any cash dividends in the foreseeable future.

"我々は将来の利益を維持するつもりで、近い将来での現金配当は考えていない。"

(引用Google 10-K for the fiscal year ended Dec 31, 2017, p.21)

 

首を長くして配当を待っていたグーグル株主の方々、残念ですがグーグルはこのように、近い将来での配当の可能性をきっぱりと否定しております。利益を維持するつもりということは、内部留保で新たな投資をして、利益を確保していきたいということでしょうか。ただ一方で、将来の自社株買いの実施についてグーグルは10-k上で特に肯定もしていなければ否定もしていません。しかしグーグルの過去の自社株買いは小規模にとどまっている為、あまり期待は出来ないと思います。過去3年の自社株買い費用は以下の通りです。

 

In millions

 

2015

2016

2017

純利益

15,826

19,478

12,662

自社株買い費用(CFより)

1,780

3,693

4,846

(引用Google 10-K for the fiscal year ended Dec 31, 2017)

 

グーグル株主の方々にとっては、今後も当分の間、株主還元の恩恵を受けず、成長を見守っていくという状況が続いていきそうです。一方でグーグル株主の方の中には、株主還元なんかせずに、内部留保を使った再投資でグングン成長していってほしいと考えている方もいると思います。そのような方々にとっては、この無配宣言は朗報ともいえるのではないでしょうか。

 

Have a good weekend!

 ※投資は自己責任でお願いします。

※英文本文の確認をご自身で行って頂くことをお勧めします。